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2019-02-13

消費税・・役員への資産の貸付け

◆消費税・・役員への資産の貸付け

当該法人の役員に資産を無償で貸付けます。このとき、その貸付けは、消費税では、どのように取り扱われますか

この場合は、不課税として扱われます。

考え方
まず考える順序として、無償の資産の貸付けは、消費税の対象になるのか、です。これについては、対価を得ていないものなので、対象となりません。次に、みなし譲渡がありますが、資産の無償の貸付は法人からその法人の役員に対する贈与で鼻緒いこととなります。

このことを、少し、条文を交えながら、説明したいと思います。

まず、消費税の対象となる範囲が下記の条文となります。
消法4条
1項、国内において事業者が行った資産の譲渡等(一定のものを除く)及び特定仕入(事業として他の者から受けた特定資産の譲渡等をいう)には、この法律により、消費税を課する。

そして、資産の譲渡等とはつぎのように規定されています。
消法2条1項8号
資産の譲渡等
事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供(一定のものを含む)をいう。
このことから、対価を得てとありますので、無償であれば、この条文から、資産の譲渡等に該当しないこととなります。

なお、上記の資産の譲渡において、下記のみなし譲渡が規定されています。
消法4条5項
次に掲げる行為は、事業として対価を得て行われる資産の譲渡とみなす。
1、・・・・・・
2、法人が資産をその役員(法人税法2条15号に規定する役員をいう)に対して贈与した場合における当該贈与

このことから、この無償の資産の貸付は贈与でないので、上記のみなし譲渡、つまり、資産の譲渡に該当しないことになります。

よつて、この無償の資産の貸付は、資産の譲渡等に該当しないこととなります。

なお、ここでの視点は、無償と貸付です。

消費税を考えるうえで、国内において行う取引においては、まず、資産の譲渡等と資産の譲渡等以外のもの(不課税)に分けることが必要となります。なお、消費税の対象とならないものが、不課税になります。

よって、この無償の資産の貸付けは資産の譲渡等に該当しないことから、不課税となり、消費税の対象とはなりません。

消費税の課税関係を考えるとき、まずは、その取引が資産の譲渡等になるかを検討することから始めるのが良いと思います。

  ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

   少しでも、税法のことを考え、不要な税金の支出を抑えましょう

 なお、税法上のお話は、作成日現在のもので最新のものをご覧ください。
   
          いつも笑顔で(^ム^)楽しくいきましょう