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2019-04-05

損害賠償金の必要経費計上時期

◆損害賠償金の必要経費計上時期

個人事業を営んでいますが、この度、事業に関して損害賠償金を支払うことになりました。支払金額を申し出たものがあります。全てが確定してら、必要経費として、全額、必要経費として計上するのですか。

この場合、その申し出た金額を必要経費に算入することが認められています。

考え方として、まず、原則から考えると、必要経費の計上は、債務の確定が要件とされます。所得税基本通達37-2に記載されています。
このことから、その損害賠償金の全額において債務の確定が無ければ、必要経費に算入できないこととなります。

しかし、今回のように、その損害賠償金のうち、申し出た金額については、争いがなく債務が確定していることになります。よって、必要経費として計上することができるとなります。

所得税基本通達37-2
法37条の規定によりその年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべき償却費以外の費用で、その年において債務が確定しているものとは、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる要件のすべてに該当するものとする。
⑴、その年12月31日(年の中途において死亡し又は出国をした場合には、その死亡又は出国の時。以下この項に同じ)までに当該費用にかかる債務が成立していること。
⑵、その年12月31日までに当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
⑶、その年12月31日までにその金額を合理的に算定することができるものであること。

所得税基本通達37-2の2
業務の遂行に関連して他の者に与えた損害につき賠償をする場合において、その年12月31日までにその賠償すべき額が確定していないときであっても、同日までにその額として相手方に申し出た金額(相手方に対する申し出に代えて第三者に寄託した額を含む)に相当する金額(保険金等により補填されることが明らかな部分の金額を除く)を当該年分の必要経費に算入した時は、これを認める。

ここでの視点は、必要経費を考えるとき、まずは、債務の確定の要件に該当するかを検討することからになります。


 ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

   少しでも、税法のことを考え、不要な税金の支出を抑えましょう

 なお、税法上のお話は、作成日現在のもので最新のものをご覧ください。
   
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