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2019-02-28

少額の繰延資産の必要経費計上時期

◆少額の繰延資産の必要経費計上時期

個人事業で、ことし、同業者団体の加入金を支払いました。なお、これは譲渡することはできません。その金額は、12万円です。このときの処理は、事業所得の必要経費として、5年で期間按分してもいいですか。

繰延資産の少額なもの、つまり、その支出金額が20万円未満のものについて、その支出した日の属する年分の事業所得の必要経費に算入することとなります。
つまり、その支出年分において12万円を必要経費として計上することとなります。全額、強制規定となっています。

所令139条の2
居住者が支出する7条1項3号に掲げる費用のうちその支出する金額が20万円未満であるものについては、前款の規定にかかわらず、その支出する金額に相当する金額を、その者のその支出する日に属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入する。

ここでは、20万円未満のものについては「算入する」とあります。

参考
同業者団体等の加入金について、次の通達があります。
所得税基本通達2-29-4
同業者団体等(社交団体を除く)に対して支出した加入金(その構成員としての地位を他に譲渡することができることとなっている場合における加入金及び出資の性質を有する加入金を除く)は、令7条1項3号ホに掲げる費用に該当するものとする。

このことから、同業者団体等の加入金は7条1項3号に掲げる費用に該当することになることから、令139条の2の対象となる費用となります。

 ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変われば、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

   少しでも、税法のことを考え、不要な税金の支出を抑えましょう

 なお、税法上のお話は、作成日現在のもので最新のものをご覧ください。

    
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2019-02-27

医療費控除において医療費を補てんする保険金の注意点

◆医療費控除において医療費を補てんする保険金の注意点

医療費を支払いました。その時、その支払った医療費を補てんするために保険金を受け取りました。医療費控除の計算は、その医療費の合計額からその保険金を控除すればいいですか

このとき、その補填する保険金の対象となる支払った医療費のみから、その保険金を控除します。そこで、医療費以上に保険金があっても、そこで完結します。つまり、そのほかに医療費があっても、そこには、影響しません。

例えば、A病院で病気で入院100、これを補てんする保険金150、B病院200、として、
A病院 100-150=-50 切り捨て・・・この50は非課税
B病院 200
よって、対象となる医療費は200

これについて、法令では次のようになっています。

所法73条(医療費控除)
1項、居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族にかかる医療費を支払った場合において、その年中に支払った当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補填される部分の金額を除く)の合計額が・・・・・

ここで、支払った当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補填される部分の金額を除く)とあり、そして、その・・の合計額と規定されています。

非課税に関しては次の規定があります。
所法9条1項17号
保険業法2条4項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払いを受ける保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む)で心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの

所令30条
法9条1項17号に規定する政令で定める保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む)は、次に掲げるものその他これらに類するもの(これらのものの額のうちに同号の損害を受けたその者の各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を補てんするための金額が含まれている場合には、当該金額を控除した金額に相当する部分)とする。
1、損害保険契約に基づく保険金、生命保険契約又は旧簡易生命保険契約に基づく給付金及び損害保険契約又は生命保険契約に類する共済に係る契約の基づく共済金で、身体の傷害に基因して支払を受けるもの並びに心身に加えられた損害につき支払いを受ける慰謝料その他の損害賠償金(その損害に基因して勤務又は業務に従事することができなかったことによる給与又は収益の補償として受けるものを含む)
2、・・・・
ここで、このケ-スの保険金は、原則、非課税となります。しかし、医療費を支払うものを補てんするものは、その医療費から控除することとなります。

  ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

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2019-02-26

医療費控除における未確定の受取保険金は

◆医療費控除における未確定の受取保険金は

年度末、入院し退院しました。このとき、医療費を支払いましたが、事業の申告をするのですが、その申告するまでに、その入院における受取保険金が未確定です。その保険金が確定してから、処理すればいいですか。

この場合、その受取保険金を見積もり、その保険金をその保険金給付にかかる支払医療費から控除することとなります。
規定では、補填される保険金等があれば、支払医療費からこれに係る受取保険金を控除することとなっています。その保険金等は存在するのですが、金額が未確定なことから見積もることとなります。

そして、後日、保険金額の確定金額と見積金額が違うときは、遡及して、医療費控除額を訂正すること、つまり修正又は更正の請求をすることとなります。

所法73条(医療費控除)
1項、居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族にかかる医療費を支払った場合において、その年中に支払った当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補填される部分の金額を除く)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の百分の五に相当する金額(当該金額が10万円を超える場合には、10万円)を超えるときは、その超える部分の金額(当該金額が200万円を超える場合には,200万円)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。
2項、・・・・・

なお、以下の通達があります。
所得税基本通達73-10
医療費を補てんする保険金等の額が医療費を支払った年分の確定申告書を提出するまでに確定していない場合には、当該保険金等の見込み額に基づいて同項の規定を適用する。この場合において、後日、当該保険金等の確定額と当該見込み額とが異なることとなったときは、遡及してその医療費控除額を訂正するものとする。

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2019-02-25

資金の把握は、本当に重要

◆資金の把握は、本当に重要

前回は、資金の動きをみる材料を説明しました。
しかし、資金が自分の事業にとり本当に重要かを認識することなしに前回のキャシュフロ-計算書を活用できないと思います。

そこで、資金の重要性を少し考えたいと思います。
常に、資金を考えながら取り引きをすれば、どうなるかというと、資金のショ-トの可能性を低くできます。例えば、売上契約の時、その仕入れなどの経費が売上を上回っていれば、取引をしないなど。なお、将来の取引状況も考えなくてはなりませんが。

このようにしていけば、売上を上げる、新規事業を開拓する、事業課程の改善などに時間を割くことができ、目標への行動をより多く確保することができます。つまり、資金を重視することは、目標の達成のための行動をとる時間をより多く確保でき、それに基づき、より早く目標に近づけることになります。
その他いろいろ、あると思いますが。

事業を行っていくことは、なにがしかの目標・目的を達成することを有しているといえます。その目標を達成するための材料が、事業だといえます。

その事業の核の部分を効率的に機能させるために、常に資金がどのようになるかを考えながら取引を行うことが重要でないでしょうか。

なお、資金の把握や動きをみる視点を、事業の目標・目的のために何が一番いいのかを考え、行動し、誤りがあれば修正し、より良いものに近づけていくという意識を持っていけば、さらにより良い方向に行くと思います

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2019-02-24

キャシュフロ-計算書の種類・必要性

◆キャシュフロ-計算書の種類・必要性

キャシュフロ-計算書には、間接法と直接法があります。そもそも、キャシュフロ-計算書は、一定期間の資金の動きを示したものです。つまり、過去のものとなります。そのフォ-ムは前記の間接法と直接法です。

共通点は、営業キャシュフロ-、投資キャッシュフロー、財務キャシュフロ-に分かれます。資金がどのように増減したかをこの3つの領域から把握します。

次に、違いは、間接法は、営業キャシュフロ-を損益計算書の税引き前利益から調整して、作成され、直接法は、その内容を独自に把握し、作成することとなります。なお、その他のキャシュフロ-においては同じとなります。

事務的な簡便を重視するなら、その本業の内容を把握することは割と、時間がかかることになりますから、間接法は簡単と思います。
内容を把握することを重視するもであれば、直接法をおすすめします。なぜなら、営業キャシュフロ-において、直接法は本業の収入、支出ごとに記載されていますから。

間接法と直接法の選択には、資金の動きをどの様に把握したいのか、何のために資金の動きをみるのか、から、考えることが、大切なことと思います。
なお、キャシュフロ-計算書は上記の3つの範囲の資金の動きを示しますが、会社ごとにその範囲を違う項目を追加したりして作成してもいいとおもいます。

そもそも、キャシュフロ-計算書は、資金の動きをみる目的のための材料なので、いろいろなフォ-ムを探していきましょう。

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2019-02-23

法人が従業員に係る少額の社会保険料の負担は

◆法人が従業員に係る少額の社会保険料の負担は

法人において、従業員が負担すべき社会保険料を少し負担しようと思いますが、どのように考えればいいですか。

考え方は、次のようになります。
まず、原則、従業員において負担すべき金額を法人が支払うということは従業員が経済的利益を得ることとなりますので、その負担額は給与として課税されます。

しかし、負担額が少額な場合、つまり、その月中に負担する金額の合計が300円以下の場合には、課税しなくていいとされています。ただ、役員又は特定の使用人(これらの者の親族を含む)のみを対象としている場合は除かれます。

次のように規定されています。
所法28条
1項、給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費、及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下「給与等」という)に係る所得をいう
2項、給与所得の金額は、その年中の給与等の収入金額から・・・・・・

所法36条
1項、その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもって収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。

なお、使用者が負担する少額な保険料等について課税しない経済的利益については、次の通達があります。

所得税基本通達36-32
使用者が役員又は使用人のために次に掲げる保険料又は掛金を負担することにより当該役員又は使用人が受ける経済的利益については、その者につきそのその月中に負担する金額の合計額が300円以下である場合に限り、課税しなくて差し支えない。ただし、使用者が役員又は特定の使用人(これらの親族を含む)のみを対象として当該保険料又は掛金を負担することにより当該役員又は使用人が受ける経済的利益については、この限りでない。
⑴、健康保険法、雇用保険法、厚生年金保険法又は船員保険法の規定により役員又は使用人が被保険者として負担すべき保険料
⑵、・・・・・・・・
注)、使用者がその月中に負担する金額の合計額が300円以下であるかどうかを判定する場合において、上記の契約のうちに保険料又は掛金の払込を年払い、半年払等により行う契約があるときは、当該契約に係るその月中に負担する金額は、その年払、半年払等による保険料又は掛金の月割額とし、・・・・・・。

  ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

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2019-02-22

申告する者が死亡した時の配偶者控除の注意点

◆申告する者が死亡した時の配偶者控除の注意点

夫が亡くなりました。その夫(合計所得金額600万円)の申告をするとき、配偶者の私は配偶者控除として適用できますか


ここでの視点は、控除対象配偶者に該当するかですが、ここでの注意点は、以下の点です。
その人と生計を一にしていたかの判定時期、その配偶者の合計所得金額が38万円以下であるかどうを考えるかです。

まず、その人と生計を一にしていたかの判定時期について、その死亡した時の現況で判定します。
その配偶者の合計所得金額は、その死亡時の現況により見積もったその年の1月1日から12月31日までのその配偶者の合計所得金額で判定することとなります。その死亡時までのものでないことが、前回のものと異なり、注意を要するところと思います。

これについては、以下の規定などがあります。
所法83条 配偶者控除
1項、居住者が控除対象配偶者を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、・・・・・から次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。
一、その居住者の2条1項30号に規定する合計所得金額が900万円以下である場合  38万円(その控除対象配偶者が老人控除対象配偶者である場合には、48万円)
二、・・・
三、・・・
2項。・・・
配偶者控除は控除対象配偶者が対象となります

所法2条1項33号の2、控除対象配偶者
同一生計配偶者のうち、合計所得金額が千万円以下である居住者の配偶者をいう。
ここでは、申告する者の合計所得金額が1000万円以下となります。

所法2条1項33号、同一生計配偶者
居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの(57条1項に規定する青色事業専従者に該当するもので同項に規定する給与の支払いを受けるもの及び同条3項に規定する事業専従者に該当するものを除く)のうち、合計所得金額が38万円以下である者をいう。

所法85条3項
79条又は81条から前条までの場合において、その者が居住者の老人控除対象配偶者若しくはその他の控除対象配偶者若しくはその他の同一生計配偶者若しくは83条の2第1項に規定する生計を一にする配偶者・・・・・・・に該当するかどうかの判定は、その年12月31日の現況による。ただし、その判定に係る者がその当時すでに死亡している場合は、当該死亡の時の現況による。


所得税基本通達85-1
年の中途において死亡し又は出国した居住者の配偶者その他の親族(法2条1項34号に規定する児童及び老人を含む。以下この項において「親族等」という)がその居住者の・・・・・又は扶養親族に該当するかどうかの判定に当たっては、次によるものとする。
⑴、当該親族等がその居住者と生計を一にしているかどうか、及び親族関係にあったかどうかは、その死亡または出国の時(その年1月1日から当該時までに死亡した親族等については、当該死亡の時)の現況によ判定する。
⑵、当該親族等が同一生計配偶者若しくは配偶者又は扶養親族に該当するかどうかは、その死亡または出国の時の現況により見積もったその年1月1日から12月31日までの当該親族等の合計所得金額により判定する。


 ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

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2019-02-21

年の中途で死亡した扶養親族の判定

◆年の中途で死亡した扶養親族の判定

昨年まで、子供を控除対象扶養親族として控除していたのですが、今年の中ごろに亡くなりました。扶養控除を考えるうえでの注意点はありますか。

ここで考えることは、扶養親族において、生計を一にするについていつの現況か、また、合計所得金額をどう考えるか、判定時期がいつかを考えることとなります。

これについては次のようになります。
生計を一にするかについては、その死亡した者の死亡時の現況によります。
合計所得金額が38万円以下であるか否かについては、その死亡時の現況(その年1月1日から死亡時までの合計所得金額)により判定します。
つまり、その者の死亡時の現況によります。

このことについて、次のように規定されています。
所法85条3項
79条又は81条から前条までの場合において、その者が居住者の・・・・・・・若しくはその他の扶養親族に該当するかどうかの判定は、その年12月31日の現況による。ただし、その判定に係る者がその当時すでに死亡している場合は、当該死亡の時の現況による。

所法2条1項34号扶養親族
居住者の親族(居住者の配偶者をのぞく)ならびに児童福祉法27条1項3号の規定により同法6条の4に規定する里親に委託された児童及び老人福祉法11条1項3号の規定により同号に規定する養護受託者に委託された老人でその居住者と生計を一にするもの(一定のものを除く)のうち、合計所得金額が38万円以下である者をいう。


 ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変われば、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

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2019-02-20

事業専従者の受ける金銭は給与

◆事業専従者の受ける金銭は給与

白色申告における事業を営んでいます。親族を事業専従者として雇います。収支内訳書では専従者控除とあり,その親族が支払う受ける金銭は、どのように考えればいいですか。

この場合には、給与所得とみなされます。

生計を一にする親族が居住者の営む事業に従事したことなどにより対価の支払いを受けても、その居住者の必要経費とならず、又、その親族の所得ともなりません。
これについては、所法56条に規定されています。
所法56条
居住者と生計を一にする配偶者その他の親族がその居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業に従事したことその他の事由により当該事業から対価の支払いを受ける場合には、その対価に相当する金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入しないものとし、かつ、その親族のその対価にかかる各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、その居住者の当該事業にかかる不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。この場合において、その親族が支払いを受けた対価の額及びその親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入される金額は、当該各種所得の金額の計算上ないものとする。

上記の条文で必要経費は認められていませんが、このケ-スでは、必要経費としてみなされます(所法57条3項)。
所法57条3項
居住者(1項に規定する居住者を除く)と生計を一とする配偶者その他の親族(年齢15歳未満である者を除く)で専らその居住者の営む前条に規定する事業に従事するもの(以下「事業専従者」という)がある場合には、その居住者のその年分の当該事業にかかる・・・・、事業所得の金額又は・・・の計算上、各事業専従者につき、次に掲げる金額のうちいずれか低い金額を必要経費とみなす。
1、・・・・
イ、・・・
ロ、・・・
2、・・・・・

また、56条、上記の3項を受けて、次のように規定されています。
所法57条4項
前項の規定の適用があった場合には、各事業専従者につき同項の規定により必要経費とみなされた金額は、当該各事業専従者の当該年分の各種所得の金額の計算については、当該各事業専従者の給与所得にかかる収入金額とみなす。

このようなことから、給与所得とみなされます。
そもそも、その者は居住者のもとで労働の対価として、受け取っていますから。

ここでの視点は、このような事業専従者への支払は、給与所得とみなされることです。

なお、給与を支払うときの手続きを行う必要があります。

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2019-02-19

同居親族は白色申告の事業専従者と扶養親族になれる?

◆同居親族は白色申告の事業専従者と扶養親族になれる?

個人事業で、白色申告をしています。従業員として、同居している20歳の子を雇っています。このとき、事業専従者の適用を受け、その子を扶養親族としたいと思いますが。

この場合には、事業専従者を適用されるのであれば、その子を扶養控除を受けることはできません。

考え方
扶養親族の定義として、次のように規定されています。
所法2条1項34号
扶養親族
居住者の親族(その居住者の配偶者を除く)並びに児童福祉法27条1項3号の規定により同法6条の4に規定する里親に委託された児童及び老人福祉法11条1項3号の規定により動向に規定する養護受託者に委託された老人でその居住者と生計を一にするもの(57条1項に規定する青色事業専従者に該当するもので同項に規定する給与の支払いを受けるもの及び同条3項に規定する事業専従者に該当するものを除く)のうち、合計所得金額が38万円以下である者をいう。

事業専従者は、次の57条で規定されています。
所法57条3項
居住者(1項に規定する居住者を除く)と生計を一とする配偶者その他の親族(年齢15歳未満である者を除く)で専らその居住者の営む前条に規定する事業に従事するもの(以下「事業専従者」という)・・・・・

このケ-スでは、まず、その子は、その者の親族でその者と生計を一にしていて、事業に専ら従事しているのであれば、事業専従者に該当すると考えられます。そして、扶養親族において、その者と生計を一にすることが要件となっていますが、事業専従者は除くとあります。このことから、事業専従者に該当するのであれば、扶養親族に該当しないことになります。なお、事業専従者に該当しなければ、扶養親族に該当することとなります。

ここでの視点は、事業専従者に該当する者と扶養親族に該当する者、両方ともに該当することはないということです。つまり、どちらかということです。

また、それぞれ、要件があります。たとえば、生計を一にする、専ら、親族など、を一つ一つ、押さえることも大切となります。

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2019-02-18

法人が負担した従業員の負担すべき寄付金の処理は

◆法人が負担した従業員の負担すべき寄付金の処理は

法人が従業員に代わり、その者が負担すべき寄付金を支出しました。その時、法人の処理として、給与等としました。この寄付金は特定寄付に該当します。この寄付金は、その従業員において寄付金控除を受けることができますか

この場合は、寄附金控除を受けることができます。

考え方
これは、法人が直接、従業員に代わり支払ったのですが、給与として支給していることから、法人が給与等として従業員に支給し、その者がそれを寄付したのと同じ流れとなります。

ここでは、給与等とされているかが重要となります。

なお、以下に通達があります。
所得税基本通達78-8
個人の負担すべき法78条2項各号に掲げる寄附金を法人が支出した場合において、当該法人又は個人にた対する法人税法又は所得税法の適用上当該寄附金が当該個人に対する給与等とされたときは、当該給与等とされた金額は当該個人が支出した寄付金として同条の規定を適用する。

参考
法人において、法人税基本通達9-4-2の2があります
法人税基本通達9-4-2の2
法人が損金として支出した寄附金で、その法人の役員等が個人として負担すべきものと認められるものは、その負担すべき者に対する給与等とする。


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2019-02-17

地震保険料控除において賦払い契約の家屋等は対象?

◆地震保険料控除において賦払い契約の家屋等は対象

地震保険控除の対象は、所有ということが要件と聞きました。賦払契約により購入した家屋ですが、支払い完済で所有権が移転することになっています。そのため、いまだ、所有権が移転していません。このとき、地震保険控除を受けられませんか。

このケ-スでは、受けることができます。なお、常時その居住の用、日常生活の用に供しているものが対象となります。

ここでの視点は、現実的に所有と同じ状態であることということです。

なお、所得税基本通達77-1があります。
所得税基本通達77-1
賦払の契約により購入した資産で、その契約において代金完済後に所有権を移転する旨の特約が付されているものであっても、常時その居住の用又は日常の生活の用に供しているものは、その者が所有する資産として、法77条1項の規定を適用することができるものとする。

所法77条1項
居住者が、各年において、自己若しくは自己と生計を一にする配偶者その他の親族の有する家屋で常時その居住の用に供するもの又はこれらの者の有する9条1項9号に規定する資産を・・・・・・・・

ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

   少しでも、税法のことを含め考え、不要な税金の支出を抑えましょう

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2019-02-16

地震保険控除の対象家屋は

◆地震保険控除の対象家屋は

地震保険に加入しています。なお、その自分が所有する建物の一部を事業用として利用し、その他の部分は居住用です。このとき、地震保険料全額を確定申告書の所得控除として計上してもいいですか

この場合は、原則、全額、所得控除とすることはできません。つまり、住居用のものが対象になります。その時の按分方法は、一般的に、床面積割合で行います。
ただし、その居住割合がおおむね90%以上であれば、全額を所得控除として計上できます。

ここでの視点について、地震保険控除の対象は、原則、居住の用に供しているものです。なお、特例があります。

考え方
所法77条1項(地震保険料控除)
居住者は、各年において、自己若しくは自己と生計を一にする配偶者その他の親族の有する家屋で常時その居住の用に供するもの又はこれらの者の有する9条1項9号に規定する資産を保険又は共済の目的とし、かつ・・・・・

ここで、家屋について、常時その居住の用に供するものが対象となります。

また、所得税基本通達77-6
保険等の目的とされている家屋を、店舗併用住宅のように居住の用と事業等の用とに併用している場合であっても、その家屋の全体のおおむね90%以上を居住の用に供しているときは、その家屋について支払った地震保険料の全額を居住用資産に係る地震保険料の金額として差支えない。

このことから、居住用が全体のおおむね90%以上を占めている場合には、地震保険料全額を所得控除として計算することができます。


  ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

   事業のために、少しでも、税法のことを考え、不要な税金の支出を抑えましょう

 なお、税法上のお話は、作成日現在のもので最新のものをご覧ください。

       いつも笑顔で(^ム^)楽しくいきましょう

2019-02-15

国民年金保険料の2年前納の所得控除

◆国民年金保険料の2年前納の所得控除

国民年金保険料を2年前納しました。確定申告書を提出するのですが、2年での月按分をして、所得控除の申告すればいいのですか。

この場合には、回数で分けて年ごとでの申告とその支出年に全額申告、の選択となります。
どちらがいいかは、各々の状況によります。つまり、将来の状況を予想することにより決定することとなります。

まず、所法74条1項
居住者が、各年において、自己又は事故と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合又は・・・・には、その支払った金額又は…を、その居住者のその年分の総所得金額、退職金額又は山林所得金額から控除する。

所得税基本通達74・75-1
法74条1項又は75条1項に規定する「支払った金額」については次による。
⑴、納付期日が到来した社会保険料又は小規模企業共済等掛金(以下、「社会保険料等」という)・・・であつても・・・・・・

⑵、前納した社会保険料等については、次の算式により計算した金額はその年において支払った金額とする。
前納した社会保険料等の総額(前納により割引された場合にはその割引後の金額)×前納した社会保険料等に係るその年中に到来する納付期日の回数/前納した社会保険料等に係る納付期日の総回数

この通達では、分割での申告の方法が記載されています。これが原則となります。

所得税基本通達74・74-2
前納した社会保険料等のうちその前納の期間が一年以内のもの及び法令に一定期間の社会保険料等を前納することができる旨の規定がある場合における当該規定に基づき前納したものについては、その前納した者がその前納した社会保険料等の全額をその支払った年の社会保険料等として確定申告書又は・・・・・・に記載した場合には、74・75-1の⑵にかかわらず、その全額をその年において支払った社会保険料等の金額として差し支えない。
なお、・・・・・・

この通達は74・75-1の特例という位置づけで、前納の金額の全額をその支払った年の確定申告書に記載することができると書かれています。
なお、「法令に一定期間の社会保険料等を前納することができる旨の規定」に、この国民年金の2年前納が含まれます。

このように、選択はできますが、年金機構からの証明書を確定申告書に添付する必要があります。申告の金額においては、特に、分割での申告について、その証明書の金額に気を付けたほうがいいと思います。

 ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

   少しでも、税法のことを考え、不要な税金の支出を抑えましょう

 なお、税法上のお話は、作成日現在のもので最新のものをご覧ください。
   
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2019-02-14

ケ-ス貸しの税務上の所得は・・・個人事業

◆ケ-ス貸しの税務上の所得は・・・個人事業

ケ-ス貸し(建物の一部分を貸す)における収入において、どのような所得になるでしょうか

これは、所得としては、不動産所得となります。

このケ-ス貸しは、建物の一部を貸すという行為となることから、不動産所得となります。

所法26条1項
不動産所得とは、不動産、不動産の上に存ずる権利、船舶又は航空機(以下「不動産等」という)の貸付(地上権又は永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含む)による所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く)をいう

このことから、ケ-ス貸しは不動産の貸付けに該当することから、不動産所得に該当します。

なお、以下の通達にもあります。
所得税基本通達26-2
いわゆるケ-ス貸しは、不動産の貸付けに該当する。

ここでの視点は、どのようなものを貸すのかを明確にすることです。

 ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変われば、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

   少しでも、税法のことを考え、不要な税金の支出を抑えましょう

 なお、税法上のお話は、作成日現在のもので最新のものをご覧ください。

    
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2019-02-13

消費税・・役員への資産の貸付け

◆消費税・・役員への資産の貸付け

当該法人の役員に資産を無償で貸付けます。このとき、その貸付けは、消費税では、どのように取り扱われますか

この場合は、不課税として扱われます。

考え方
まず考える順序として、無償の資産の貸付けは、消費税の対象になるのか、です。これについては、対価を得ていないものなので、対象となりません。次に、みなし譲渡がありますが、資産の無償の貸付は法人からその法人の役員に対する贈与で鼻緒いこととなります。

このことを、少し、条文を交えながら、説明したいと思います。

まず、消費税の対象となる範囲が下記の条文となります。
消法4条
1項、国内において事業者が行った資産の譲渡等(一定のものを除く)及び特定仕入(事業として他の者から受けた特定資産の譲渡等をいう)には、この法律により、消費税を課する。

そして、資産の譲渡等とはつぎのように規定されています。
消法2条1項8号
資産の譲渡等
事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供(一定のものを含む)をいう。
このことから、対価を得てとありますので、無償であれば、この条文から、資産の譲渡等に該当しないこととなります。

なお、上記の資産の譲渡において、下記のみなし譲渡が規定されています。
消法4条5項
次に掲げる行為は、事業として対価を得て行われる資産の譲渡とみなす。
1、・・・・・・
2、法人が資産をその役員(法人税法2条15号に規定する役員をいう)に対して贈与した場合における当該贈与

このことから、この無償の資産の貸付は贈与でないので、上記のみなし譲渡、つまり、資産の譲渡に該当しないことになります。

よつて、この無償の資産の貸付は、資産の譲渡等に該当しないこととなります。

なお、ここでの視点は、無償と貸付です。

消費税を考えるうえで、国内において行う取引においては、まず、資産の譲渡等と資産の譲渡等以外のもの(不課税)に分けることが必要となります。なお、消費税の対象とならないものが、不課税になります。

よって、この無償の資産の貸付けは資産の譲渡等に該当しないことから、不課税となり、消費税の対象とはなりません。

消費税の課税関係を考えるとき、まずは、その取引が資産の譲渡等になるかを検討することから始めるのが良いと思います。

  ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

   少しでも、税法のことを考え、不要な税金の支出を抑えましょう

 なお、税法上のお話は、作成日現在のもので最新のものをご覧ください。
   
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2019-02-12

生計を一にするとは?

◆生計を一にするとは?

扶養親族において生計を一にするとありますが、同居することが必要と思われますが、この生計を一にするとは、どのように考えればいいですか

この場合の視点は、簡単に言うと、お財布を一つにしているという状態といえます。つまり、生活の資金が共通ということになります。このようなことから、同居していることが、必ず必要といえません。なぜなら、状況により、お財布が一つの状況で、別に寝起きをすることもあり得ます。例えば、療養、就学、など。
なお、扶養親族の要件は、この生計を一にするのほか、合計所得金額の要件などの要件もあります。

なお、生計を一にするに関する通達があります。
所得税基本通達2-47
法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではないから、次のような場合には、それぞれ次によろ。
⑴、勤務、就学、療養等の都合上他の親族と日常の起居をともにしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。
イ、当該他の親族と日常の起居をともにしていない親族が勤務、就学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合
ロ、これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合
⑵、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかにお互いに独立した生活を営んでいると認めらえる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする

このようなことから、同居していても、生計を一にするといえないこともあり得ますので、まずは、その親族間がどのような状況であるか、を検討することが必要と思います。

 ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

   少しでも、税法のことを考え、不要な税金の支出を抑えましょう

 なお、税法上のお話は、作成日現在のもので最新のものをご覧ください。
   
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2019-02-11

資金の支出時に思うこと

◆資金の支出時に思うこと
事業は、お金を出して、例えば、商品を購入し、販売するという流れがあります。その商品を購入するためには、お金と引き換えとするか、将来お金を渡す約束をすることなどが必要となります。

まずは、未払金、買掛金での購入について、将来の資金を考え、返済ができるかわからない状態であれば、事業としては不安定となります。

また、現金での購入であれば、その資金がほかに影響する、たとえば、他の商品を購入できなくなるなど。その資金のことばかり考えていると、事業に専念することができない場合もあり得ます。

よって、商品、又は、資産の購入の時点で、その資金の支出で、現時点、将来的にもどのような影響があらゆる面から検討していくことが大切と思います。

そのために、常日頃から、小さな支出に対しても資金管理が必要となってくると思います。

あせる状態を作ることはなるべく避けることだと思います。

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2019-02-10

個人事業の建物を個人用から事業用に転用における償却方法の注意点

◆個人事業の建物を個人用から事業用に転用における償却方法の注意点

個人事業において、H17年に家事使用の建物を取得し、それをH23年に事業に転用し利用するとき、減価償却費の計算における減価償却方法は旧定額法、定額法、があります。その償却方法を決めるとき、建物を家事のために取得した時点か、それとも、事業に利用した時点か、どのように考えればいいのですか。

このケ-スでは、旧定額法が適用されます。
ここでの視点は、その建物を初めて、その事業主が取得した時のもので判定します。つまり、事業において利用した日で判定しません。

考え方
償却方法は、旧定額法か定額法に分かれます。前者がH19年3月31日以前に取得したものであり、後者はH19年4月1日以後に取得したものになります。このケ-スでは、旧定額法が適用されることとなります。
ここで、事業に利用した時に減価償却が生じると思われえるかもしれませんが、個人の家事においても減価償却は生じています。そのことから、家事用のものから事業用として転用したと考えます。

所令120条
1項、平成19年3月31日以前に取得された減価償却資産・・・・・の償却費の額の計算上算定することができる同項に規定する政令で定める償却の方法は、次の各号に掲げる資産の区分に応じ当該各号に定める方法とする。
1号建物
イ、平成10年3月31日以前に取得された建物    次に掲げる方法
⑴、旧定額法
⑵・・・・
ロ、イに掲げる建物以外の建物  旧定額法

所令120条の2
1項、平成19年4月1日以後に取得された減価償却資産・・・・・の償却費の額の計算上選定することができる法49条1項に規定する政令で定める償却の方法は、次の各号に掲げる資産の区分に応じ当該各号に定める方法とする。
1号、6条1号及び2号に掲げる減価償却資産 ・・・・・
イ、平成28年3月31日以前に取得された減価償却資産(建物除く)    次に掲げる方法
⑴、定額法
⑵・・・・
ロ、イに掲げる減価償却資産以外の減価償却資産  定額法

所令6条
法2条1項19号に規定する政令で定める資産は、棚卸資産、有価証券及び繰延資産井垣の資産のうち次に掲げるもの(一定んものを除く)とする。
1号、建物及びその附属設備 
・・・・

この規定から、償却方法の時の選定の判断は、取得であり、事業の用に供しているとはありません。

ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

   少しでも、税法のことを含め考え、不要な税金の支出を抑えましょう

 なお、税法上のお話は、作成日現在のもので最新のものをご覧ください。

         いつも笑顔で(^ム^)楽しくいきましょう

2019-02-08

所得税における減価償却資産の償却

◆所得税における減価償却資産の償却

個人事業を営んでいます。H20年に取得した減価償却資産があります。しかし、この減価償却費の過去の計算式に誤りがありました。その結果、少ない減価償却費を計上していました。このままで計算していいですか。

このケ-スでは、所得税では、減価償却費は強制ですので、まずは、正しい計算をし、判明した年度から適正な減価償却費を計上します。また、減価償却資産の適正な残高を計上することとなり、過去の分において、更正の請求を考えることとなります。

考え方
まず、適正な計算をすることとなります。

所法49条
居住者のsの年12月31日において有する減価償却資産につきその償却費として37条の規定によりその者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額は、その取得をした日及びその種類の区分に応じ、償却費が毎年同一となる償却の方法、償却費が毎年一定の割合で逓減する償却の方法その他の政令で定める償却の方法の中からその者が当該資産について選定した償却の方法(償却の方法を選定しなかった場合には、償却の方法のうち政令で定める方法)に基づき政令で定めるところにより計算した金額とする

この規定では、その年の必要経費として計上する金額は一定の方法で計算した金額としていることから、毎年、減価償却費の計算をし、その金額を必要経費に算入することとなります。

このことから、このケ-スでは、過去の減価償却の計上漏れがあることから、更正の請求も視野に入れる必要があります。

ここで重要な点は、所得税においては、減価償却費の必要経費算入は、強制ということとなります。

 ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

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2019-02-07

法人の受取保証金の計上時期

◆法人の受取保証金の計上時期

法人を営んでいます。資産の賃貸借契約における保証金を受け取ります。このとき、受け取った時に全額収入として計上しようと思います。なお、当初は全額返還不要でありません。一定の事項が生じたときに返還しないものとなっています。

このケ-スでは、当初(保証金を受け取った時)は、保証金は科目として長期預り金(固定負債)などで処理し、益金に算入しません。なお、その後、返還不要が確定されたときに、会計上、税務上の処理が必要となります。

考え方
この保証金は、将来返還されることがあるため、収入として認識しません。収入は、簡単に言うと、最終的に現金などが入ってくることとなります。
ここで考えることは、返還しないことが確定しているか否かであり、このケ-スでは、当初返還が確定していないことから、預り状態となります。将来返還する可能性がありますが。

ここでの重要な視点は、返還が、いつ確定するか、したか、を把握することです。

契約書などから、その返還の条件を確認することをおすすめします。

参考に、法人税法基本通達2-1-41
資産の賃貸借契約等に基づいて保証金、敷金等として受け入れた金額(賃貸借の開始当初から返還が不要なものを除く)であっても、期間の経過その他当該賃貸借契約等の終了前における一定の事由の発生により返還しないこととなる部分の金額は、その返還しないこととなった日の属する事業年度の益金の額に算入するのであるから留意する。

 ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変われば、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

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2019-02-06

医療費控除における未確定の保険金の取り扱いは?

◆医療費控除における未確定の保険金の取り扱いは?

けがで年末入院し、退院しました。しかし、それに対する保険金は、いまだ支払いを受けておらず、金額が確定していません。確定していないので、支払った医療費の金額だけで、申告していいのですか。

この場合は、その確定申告書の提出ときまで、その保険金の金額が確定していないときは、保険金がなかっものとせず、その見込み額で申告することとなります。

考え方
支払った医療費を補てんする保険金を控除した金額で、医療費控除を計算することとなっています。つまり、医療費を補てんする保険金が存在(いくらかは受け取るものはある)しているのであれば、その金額を把握することとなります。
このことから、保険金が支払われるのであれば、確定していない時、どうするかです。その時、その支払われる保険金の見込み額を補てんされる金額として、医療費控除を計算します。

所法73条
1項
居住者が各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族にかかる医療費を支払った場合において、その年中に支払った当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補填される部分の金額を除く)の合計額・・・

所得税基本通達73-10
医療費を補てんする保険金等の額が医療費を支払った年分の確定申告書を提出するときまでに確定していない場合には、当該保険金等の見込み額に基づいて同項の規定を適用する。、・・・・・・・

  ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

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2019-02-05

資金不足から何を学ぶ?

◆資金不足から何を学ぶ?

資金が不足するときに、まず、頭に浮かぶことは、どこからか、調達しようと思いますね。その調達方法として、いろいろあると思いますが、たとえば、金融機関からの借入金が頭に浮かぶいます。

ここで重要なことは、至急に調達することが必要があったとしても、どうしてその資金不足が生じたのかを検討し、その不足の解消を図る必要があります。
それを図る理由は、次の2点です。

第一に、これがもっとも重要な点ですが、同じことを何度も繰り返すとなれば、本業を支える資金調達業務により多く時間がとられ、本来の本業の営業に割く時間が少なくなります。これは、本末転倒と思います。だから、同じ過ちを繰り返さないために、その原因を探り、対策をとる必要があります。

第二に、その原因の追究により、業務自体の問題点をも、あぶりだす可能性があります。例えば、ある部門で人件費が多いのが資金不足の原因ということとなれば、配置換え、などの改革の材料となります。

この資金不足が生じたことは、ただ単に、どこからか調達をしなくてはならないというだけではなく、なぜ資金不足となったのかを分析し、その対策を講じることによって、本来の事業をさらにより良い方向に向かわせると思います。

まずは、不足状態となる前に、小さな資金の支出でもいいですので、本当に必要となのかを検討してもいいかもしれません。


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2019-02-04

個人事業者の事業用資産の一時家事に使用の消費税の取り扱いは

◆個人事業者の事業用資産の一時家事に使用の消費税の取り扱いは

個人事業を営んでいます。その事業の用に供されている資産を家事のために一時利用することとします。このとき、みなし譲渡として、処理しようと思います。

このケ-ス、つまり、一時使用であれば、みなし譲渡を適用しません。

これについて、消費税法基本通達11-1-4の後段(なお書き以降)に記載されています。

消費税法基本通達11-1-4
個人事業者が資産を事業と家事の用途に共通して消費し、または使用するものとして取得した場合、その家事消費又は家事消費にかかる部分は課税仕入れに該当しないことに留意する。この場合において、当該資産の取得にかかる課税仕入れにかかる支払対価の額は、当該資産の消費又は使用の実態に基づく使用率、使用面積割合等の合理的な基準により計算するものとする。
なお、個人事業者が、課税仕入れにかかる資産を一時的に家事使用しても、当該家事使用について法4条5項1号(みなし譲渡)の規定の適用はないのであるから留意する。

消法4条
5項、次に掲げる行為は、事業として対価を得て行われる資産の譲渡とみなす。
1号、個人事業者が棚卸資産または棚卸資産以外の資産で事業の用に供していたものを家事のために消費しまたは使用した場合における当該消費又は使用
2号・・・・・・

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2019-02-03

消費税の個別対応方式における住宅賃貸の仲介手数料はどの区分

◆消費税の個別対応方式における住宅賃貸の仲介手数料はどの区分

法人で、マンション(賃貸居住用)経営をしています。その賃貸の仲介手数料を支払いました。このとき、この仲介手数料は消費税が課されているので、消費税において、すべて仕入れ税額控除として処理しようとおもいます。なお、当社は、個別対応方式を採用しています。

このケ-スでは、その他の資産の譲渡等にのみ要するものと処理します。つまり、この場合には、仕入れ控除することはできません。
ここでの考え方は、まず、その支出したものについて消費税が課されているのかを把握することです。そして、次に、その支出が何を得るため(どのような収入を得るため)のものかを把握することです。

今回であれば、仲介手数料は、事業として他者から受ける役務の提供(当該他の者において課税資産の譲渡等に該当)から、課税仕入れに該当します。そして、その仲介手数料は住宅の賃貸のものであり、また、住宅の貸付は法6条規定する住宅の貸付けであることから非課税となります。よって、その仲介手数料はその他の資産の譲渡等にのみ要するものとなります。
なお、非課税資産の譲渡等が生じていたか否かは関係ないこととなります。なぜなら、「のみ要する」と、過去形でないので。

消費税法基本通達は次のようにあります。
消費税法基本通達11-2-15
法30条2項1号に規定する課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等にのみ要するもの(以下「その他の資産の譲渡等にのみ要するもの」という)とは、法6条1項の規定により非課税となる資産の譲渡等(以下「非課税資産の譲渡等」という)を行うためにのみ必要な課税仕入れ等をいい、たとえば、販売用の土地の造成にかかる課税仕入れ、賃貸用住宅の建設に係る課税仕入れがこれに該当する。


消費税は、簡単に言うと、原則、売上により消費税を預り、支出により消費税を支払い、その差額を国に納付する、又は還付というものです。この個別対応方式は、支出とその支出にかかる収入(売上)を対応させることです。その対応の区分が3つに分けられています。それは、今回のその他の資産の譲渡等にのみ要するもの、そのほかに、課税資産の譲渡等にのみ要するもの、課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの、があります。

個別対応方式を採用するときは、この区分を正確にする必要があります。
まずは、その支出はなんの収入を得るためのものかを考えることをおすめします。

ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

   少しでも、税法のことを含め考え、不要な税金の支出を抑えましょう

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2019-02-02

資金の面から売上だけでなくあらゆる場面を

◆資金の面から売上だけでなくあらゆる場面を

売上だけに注視することで問題が起こることがしばしば起こることがあります。
本来、売上は回収が終了して初めて、売上されたということになります。

売り上げが上がっても、回収がうまくいかなければ、銀行への返済、仕入先への支払、其れにかかる商品の調達などが滞ることとなります。それにより、事業の継続が難しくなりえます。
このことから、資金が重要となります。
まずは、資金をどのように増加させるのかを考え、行動することです。

売上を上げることによって、一般的に資金が増加することになりますから、資金を増加するためには売上を上げることは重要と思います。
しかし、売上を上げるだけではなく、少し、視点を変えて、売上前に回収ができるシステムを考えたり、その売上の粗利を上げる方法を考えたり、在庫として残っている商品をどのように処分するか、経費を本当に下げることができないのか、を考え、行動することも重要と思います。
つまり、あらゆる場面において、何かできないか、資金の視点で考えてみてはどうでしょうか。

そのために、損益計算書、貸借対照表の各勘定項目が、そのあらゆる場面を、みていく材料となります。

まずは、2、3年間の損益計算書・貸借対照表を比較の視点で見るのをおすすめします。


                               いつも笑顔で(^ム^)楽しくいきましょう

2019-02-01

個人事業の支払う長期損害保険料の注意点

◆個人事業の支払う長期損害保険料の注意点

個人事業を営んでいます。このほど、事業用建物に対し満期返戻金のある10年物の損害保険契約を締結しました。このとき、毎年支払う保険料を全額必要経費として計上していなす。

このケ-スでは、この保険料の中には、積立保険料の部分とその他の部分(危険と付加部分)があります。積立部分は、積立保険料、保険積立金などの科目として資産に計上、その他の部分は、必要経費として計上されます。

ここでの視点は、支出した金額の内容、つまり、どのような収入を得るために支出したものか、いつ計上又は処理するのかを考えることとなります。
この保険料について、積立部分は、満期返戻金のためであり、危険等部分は掛け捨て保険のためのものになります。よって、満期返戻金が支払われるときまで資産として計上され、それを受け取った時に、処理することとなります。危険等部分は、掛け捨てのため、必要経費となります。

なお、その積立部分などの区別は、毎回、領収書、保険料の案内、お知らせなどで確認することとをおすすめします。

ここでの仕訳は次のようになります。

積立保険料  ****    現金預金   ****
損害保険料  ****    現金預金   ****

これについては、下記の所得税基本通達があります。
所得税基本通達36.37共-18の2
保険期間が3年以上で、かつ、当該保険期間満了後に満期返戻金を支払う旨の定める損害保険契約(これに類する共済にかかる保険を含む。以下「長期の損害保険契約」という)で業務の用に供されている建物等に係るものについて保険料(共済掛金を含む)を支払った場合には、当該建物等のうちの業務の用に供されている部分に対応する保険料のうち、積立保険料に相当する部分の金額は保険期間の満了又は保険契約の解除若しくは失効の時までは、当該業務にかかる所得の金額の計算上資産として扱うものとし、当該対応する保険料のうち、その他の部分の金額は期間の経過に応じて当該業務に係る所得の金額の計算上必要経費に算入する。

これに関し、契約時に特約として、前払いで保険料を支払うことがあります。これも、原則、上記の考えで、処理することとなります。

 ここでは、大枠、大きな流れなど、事業にヒントになることを書いています。少し状況が変っただけでも、適用も変わります。よって、申告時、届出時など適用するかを考えるときは、必ず、税務専門家などに相談ください。

   少しでも、税法のことを考え、不要な税金の支出を抑えましょう

 なお、税法上のお話は、作成日現在のもので最新のものをご覧ください。
   
          いつも笑顔で(^ム^)楽しくいきましょう